りんごの木を植える。

高校の友だちが毎日更新してるので、ぼくも続けてみようと思います。

2023/01/05【3】寒さと謝罪と後悔と自嘲

その娘とはアプリで知り合った。

メールのやり取りや電話ではなくて、すぐ会って雰囲気を知りたいというスタンスで気が合った。お互いの住まいに少し距離があったから、その娘の出やすいところで会うことになった。

洒落た飲食店や、春には目黒川の花見客で混み合うことで有名な駅で落ち合ってランチをし、少し散策をしてお互いを知り合う。夕方に奈良まで話をしながら過ごし、最後は駅まで見送ってもらった。

娘の見た目はややふっくらしていたが健康的で、鼻筋の通った整った顔立ちをしていて、髪型や衣服も洒落ていた。靴と鞄はところどころ擦れていたが、物を大切に長く使っているような清潔感は見てとれた。

次に会ったのはそれから2週間ほど経ってからで、お互い仕事帰りに夕食を取った。場所はお互いの都合のつきやすい山手線の駅で、遅めの時間から食べ始めて酒も少し飲んでいた気がする。食後にしばらく散歩をして歩き、ぐだぐだしながら終電を逃す。

そうなってしまえば、その日のうちに身体の関係になることは不思議ではなかった。

それから何度か会っていたが、男の都合でしばらく会えなくなった。すると男は連絡することも億劫になって、娘の連絡への返事が滞るようになった。その娘からするといきなり音信不通になったものだから、当然心配であるし余計に連絡を取ろうとしたがる。男はまたそれに返事をするのが面倒になって、いい加減な嘘で関係を終わらそうとする。

娘は傷付き、男はそうしてしまったことに後悔する。

愚か。