月に一度髪を切りに錦糸町の美容室へ。お世話になっている美容師さんが働いているからだ。学生時代から数えてかれこれ10年以上お世話になっている。
学生の頃はアルバイトの関係であまり髪を伸ばせず、特に耳周りは念入りに刈り上げてもらった。それが今や髪型は気にせず、美容師さんの好きなように切ってもらっている。これはこれで楽だし、なにより美容師さんが楽しそうで良い。
髪を切ってもらっていると、外からビルが崩れるような、腹に響くほど大きな音が聞こえてきた。どうやら雷鳴だったようで、瞬く間に土砂降りになった。普段は折り畳み傘を持って出歩くが、今日に限って油断していた。
髪を切り終えて会計を済ませても、全く収まる気配がない。天気予報のアプリの雨雲レーダーを見ると、「20時頃に止みます」という気の抜けるようなコメントが。
時は16時半。いざ鞄と絶望を抱いて美容室を飛び出し、錦糸町駅まで猛ダッシュ。
幸い駅まではそう遠くなかったものの、丁寧に整えてもらった髪の毛が崩れ、ズボンが肌にピタりとくっ付くくらいの濡れ具合で済んだのは幸運だった気もした。
建物の出口で雨宿りをしている老若男女を尻目に、そそくさと地下鉄に乗り込んで濡れた身体をハンカチで拭く。
今日は災難だったと一息ついていた頃に、地下を走っていた電車が地上に飛び出す。空には薄明るい曇り模様が広がっていて、なんだか自然と笑けてしまった。
まあこんな日もある。