毎朝コーヒーを飲む。
豆を挽いて、ドリッパーを用意する。豆を入れる前に一度お湯でドリッパーをあたため、そのお湯を注いでカップも温める。
豆をドリッパーに入れて少なめにお湯を注ぎ、少し蒸らす。
それからまたお湯を注ぎ、あとは好みの量までコーヒーを淹れる。
そんな具合に淹れるから、今日の淹れたコーヒーは少し苦味が強く、香りもあまりよろしくなかった。
これは淹れ方が悪いからなのか、それとも豆が悪いのか。
豆の種類を見てみると、アラビカではないようだ。やはり豆が悪いのだ。そういうことにしておこう。
本格的にやるなら豆の量やお湯の温度、お湯の量まで計るという。
しかしそれは豆の種類にもよるし、極めるとすればその日そのときその場所の湿度や温度も大事だろう。
また水道水を煮沸させたお湯では満足できないかもしれない。豆の挽き具合や、手動で挽くか自動で挽くか、素材はどうか、というようなさまざまな因子を試して最適な淹れ方を調べる必要がある。
ただし、である。肝心の正解が分からないのだ。一定程度香りや味がしっかりしていれば美味しい。そうでなければ物足りない。その程度の違いしかわからない。
そうであれば、どうして最適な淹れ方を探し出せるというのか。
だから、ある程度まで淹れ方を決めて、あとは大雑把に淹れる。それが一番楽だし、その時々の味のブレも楽しめる。
もはやこの淹れ方こそが正しい淹れ方ではないか。
そんな風に自分を讃えつつ、思い出のマーニーを観てぐずぐずと泣いている金曜の夜。
ほんとに名作です。