りんごの木を植える。

高校の友だちが毎日更新してるので、ぼくも続けてみようと思います。

2022/01/06 身体性と精神性

昨日の昼。親子丼を作っていたら、玉ねぎをカットするところで盛大に親指を切った。


薄切りにする器具を使っていたのだが、指保護用に食材を押さえつける道具を使わずにサクサクやっていたら、右手の親指の先端が綺麗に削ぎ落とされた。

数秒経ってとめどなく溢れる血液をぼーっと眺めて、やばいやばいと冷水で流す。指先は痛いし冷たいしでよく状況が飲み込めず、あくまで作業のように取り敢えず居間へ向かい淡々と止血し、ガーゼと包帯で強めに巻いた。


食材がそのままになっていたので、台所に戻る。もしやと思い、スライスされた玉ねぎをかき分けると、自分の指の肉片が落ちていた。

表皮は見慣れていたから良いが、裏側は少し白っぽい薄ピンクの肉がついていた。これが人間の肉片かと感触を確かめていたら、星が飛び始めた。

ああ、これはいかん、と思い、同時にスプラッターなどで気分が悪くなったりフラッと貧血を起こす人の気持ちを想像した。

情けないやら気持ち悪いやらで必死にベッドに向かって横になって、少し休んでいた。


血液は確かによく出ていたが、貧血になる程流れ出たわけでは無い。やはり自分の肉片の感触がなんとも言い難い気分にさせたのだ。

じわじわ痛む指を上に向けて、頭に血流がいくように寝込みながら、必死に肉片の感触や切り落とされた指の断面の映像を忘れようと頭を振っていた。同時にこの一連の体験がまるで漫画や喜劇のような行動で生み出されていて、少し笑えた。


今こう思い返しているだけで、少し指先が痛む。正月早々こんなところで、身体と精神の密接な繋がりを意識する羽目になるとは思わず。

親指が使えないととても不便なので、今年は安全第一で暮らしていこうと思う。