りんごの木を植える。

高校の友だちが毎日更新してるので、ぼくも続けてみようと思います。

2022/08/15 お盆の帰省

墓参りというわけでもなく、ただ友人と過ごすために帰省した。夏の札幌は日中こそ暑いが、朝晩は涼しくとても過ごしやすい。

近年の暑さは札幌でもそれなりに猛威を振るっているようだが、それでも8月から9月にかけては一気に秋に向かって季節が進むらしい。

その土地の空気や匂いがあると思うのだが、ほのかに秋の匂いが漂っていた。


小学校から高校卒業までを過ごし、自分を受け入れてくれた札幌に対しては、なにか恩返しというか街の発展に尽くしたいと思う。そうは思いながらも、具体的な何かは思いついていない。


いくつか気になる点はあって、その辺りに関わることをできたらいいかなとも思っている。

ひとつは、文化や伝統について。

札幌にはあまり文化らしいものは無いと思う。それは街自体も新しいこともさることながら、昔から息づいている伝統があまりにも少ないことによる。

これから100年、200年を見据えた時に、なにを次の世代に残せるのかとか。考えるのもいいかもしれない。


ふたつめは、基幹産業について。

詳しく調べてはいないが、札幌には基幹産業がない。北海道全体で見れば、産業構造の中で農業や観光が大半を占めると思われる。

本来伝統や文化から発展したものが、基幹産業として生まれ発展するのが自然だと思う。だからこれは、ひとつめの気付きにも関連する。

国内をみた時にトヨタは織物のための織機から発展した。かたや海外に目をやれば、インドのIT産業は、カースト制度による諸機能の制限をひっくり返せることが一つの要因という。

伝統がない中で、どういうものを基幹産業として育てるのかは、とても大切なことだと思う。これができれば、雇用が生まれ豊かさが増す。


みっつめは、インフラについて。

街自体が大きいために、インフラの設計は街づくりの大きな課題だと思われる。どのように効率よく配置するのか。公的サービスと民間とのせめぎ合いはどうするか。品質や住民の意見はどの程度取り入れるのか。また、雪の多い土地柄インフラの維持に莫大なコストや労力を要する。財源やリソースは非常に悩ましい。


よっつめは、人の流出について。

札幌は日本を代表する200万都市であり、政令市の中でも規模が大きい。北海道の人口の4割弱が札幌に住んでいる。その大都市であっても、人口流出は喫緊の課題かと思う。特に高等教育を終えた若者は首都圏や関西に散らばっていき、戻ろうと思えど職もなければ家もない。関東に住んでいると、北海道出身者の地元への想いは強い。雪による生活苦を加味しても、北海道への郷愁は強く感じるものだ。しかしながら、生活の拠点とするにはあまりにも仕事がない。そして東京や関東のような交通の便利さもないから、車生活となるのも人によっては負担だろう。人を魅了する面は大きいものの、実際に生活するにはハードルが高いのではないか。もちろん、一定教育課程を修了して地元に残り続ける人もいる。いわゆるマイルドヤンキーなどが中心だが、そのほかは地元の公務員やインフラ企業に勤めるような、堅い勤め人が中心である。

一方で、道外からの流入も一定程度あるだろう。特に昨今はリモートワークの推進や首都圏の温暖化による酷暑から、過ごしやすく物価の安い地方へ移動したい人は多いはずだ。しかし、それもまだまだ受け入れ体制は整備途上で、一貫して流出が流入を上回る構造に変化はない。


ちなみに上記はファクトに基づく主張ではなく、あくまで感想だ。実際に起きていることは真逆かもしれないし、より深刻かもしれない。また、他のクリティカルな課題が山積しているかもしれない。そして、こういった課題はどの地方都市でも同じように起きていることであろう。

なんとなく思いつくだけでも、将来を悲観したくなる要素が多いのが悲しい。自分が悲観的な人間であることもあるが。


とはいえ、この数日中心部を歩いてお店に入った感想は、やはり札幌はポテンシャルが高い。近年根付きつつあるコーヒー文化や昔からの海鮮はもちろんのこと、昔ながらの大衆食堂やレベルの高いビストロも存在している。中心部から少し外れたところにもお洒落なカフェがあるのは少し意外だった。


暫くぶりの帰省で感じるところが多々あり、今後自分のキャリアや生き方にどう当て込んでいくのか、また徒然考えてみたい。